来てくださらないもの。

”お客さまは来てくださらないもの”

 

これは、
イトーヨーカドー・グループ創業者・伊藤雅俊さんの著書
「商いの道」に出てくる一文で、
伊藤さんのお母さまの教えだそうです。

 

 

明治から商人の道を歩んできた伊藤さんのお母さまは、
戦争・関東大震災などで、店がなくなること3回。

 

およそ20年ごとに振り出しに戻されては、
その度に、不屈の精神で復活してきた筋金入りの商人です。

 

 

そんな、
伊藤さんのお母さまは、

 

「ご近所あっての羊華堂だから、周りにほこりをたてないように、
打ち水をしなさい。

そして、何よりお客さまを第一に考えなさい。
お客さまあっての羊華堂ですから」

 

と、気配りのできる、お陰さまの精神を忘れなかった人だそうです。

 

 

お母さまの教えには、まだまだあります。

 

そのひとつが、

”お客さまがいらっしゃらない時でも、座ってはいけない”

営業中に、座ることを禁じたものです。

 

お客さまがいらっしゃったときに、
すぐに対応できる態勢を整えておきなさい。

まだお見えにならないお客さまのことを考えながら、
立って待っていなさい。

 

”お客さまは来てくださらないもの”
そう思えばこその、教えということですね。

 

この教えが素晴らしいのは、
具体的な行動に落とし込んでいる、という点です。

 

「お客さまを大切にしなさい」

「お客さま第一主義でいきましょう」

そう、口頭で指示するのは簡単です。

 

言われた従業員も、
指示された ”意味は分かる” と思いますが、
”意識まで” 伝わるかは別問題です。

 

よく社長が、

「私の想いを、まったく理解してくれないんだよね…」

と、ぼやいたりしますが、
これはある意味、当たり前なのです。

 

誤解を恐れずに言えば、

「社長の想いなんて、知ったこっちゃない!」

これが従業員の本音なんですよね。

 

 

企業の経営理念が、なかなか浸透しないのも同じこと。
意識を変えるのは、容易なことではないのです。

 

 

だから、
想いを伝えつつも、行動に落とし込む。
行動から変えていくのです。

 

伊藤さんのお母さまの場合は、

”座らない”

という行動。

 

 

座って、ゆっくりお茶でも飲みながら待っているのと、
お客さまのことを思い描きながら、立ったまま待っているのとでは、
お客さまが来てくれたときの対応が変わってくると思いませんか?

 

その小さな、一つひとつの積み重ねが、
今のイトーヨーカドー・グループの成功につながっているんですね。

 

想いを、
経営理念やビジョン、ミッションなどの
文字言語化することは、とても大切です。

 

でも、
それだけでは、伝わらない、動いてくれないのです。

 

意識を変えたかったら、まず行動から変えるのです。

 

徹底した環境整備、
挨拶の徹底、
電話はスリーコール以内で出る、
お客さまが来社したら、立つ、

など、

小さな行動から変えていくのです。

 

これらの行動が徹底されたら、
お客さまにも喜ばれます。

 

喜んでもらえたら、
それがうれしくなって、もっと何かできないかな?

そう考えるようになります。

 

結果として、
お客さまに喜ばれて、売上も伸びるのです。

意識改革も大切ですが、
まずは行動改革から。

 

もちろん、”まずは社長から”ですよ!

 

 

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