マニュアルが機能しない理由。

”金融検査マニュアル廃止”

 

金融庁は、
銀行融資を監督する指針となる
マニュアルの廃止を発表しました。

 

このマニュアルは、
バブル崩壊後の1999年に導入されたもので、

当時問題になっていた
銀行の不良債権処理を進めるためのものでした。

 

具体的には
融資先の財務状況を厳しく審査し、

・正常先

・要注意先

・破綻懸念先

・実質破綻先

・破綻先

に区分。

 

それぞれのリスクに応じた
貸倒引当金の設定など、
細かく規定していたんですね。

※貸倒引当金…倒産などによる回収不能の損失を前もって見積もること。

 

この金融検査マニュアルの導入は、
危機の収束など、一定の効果はあったものの、
その副作用も大きかったのです。

 

どんな副作用かというと、

一言で言えば、

”形式主義”

 

金融庁から検査される側の銀行は、

マニュアルに従って…、

マニュアルから外れないように…、

あとから文句を言われないように…、

あとから言い訳できるように…、

そんな対応が増えていったんですね。

 

その対応のあおりを食ったのは、
言うまでもなく
中小企業などの債務者です。

 

一時、

”貸し渋り”、”貸しはがし”

が話題になりましたよね。

 

今回のマニュアル廃止は、
この形式主義からの脱却がひとつの狙い。

今後は、
銀行に対して

”融資する際の創意工夫を求める”

とのことですが、

 

マニュアルに慣れ切ってしまった銀行が、
急に路線変更できるのかどうか…。

いろいろと問題もありそうです…。

 

ということで、
金融検査マニュアルは廃止になったわけですが、

今回のような話は、
金融検査マニュアルに限った話ではなく、
どんなマニュアルにもいえることですよね。

 

マニュアルというのは、
最初は威力を発揮するものなんですが、

だんだんと

マニュアルに支配されていく…。

 

マニュアル以上の発想や対応というのが
出来なくなっていくものなんです。

 

それはなぜかというと、

”仏つくって魂入れず”

 

”マニュアル”
という形はしっかりしているものの、

その”意味”
を教えていない。

 

私が以前勤めていた会社でも、
マニュアルを渡されて、

「これ、しっかり読んでおいて」

”だけ”でした。

 

確かに、
読めば、仕事はできるようになります。
やり方が書いてあるわけですからね。

 

でも、

そこには、”なぜ”がないのです。

 

「なぜ、このマニュアルがあるのか?」

「なぜ、この対応をしなければならないのか?」

この、”なぜ”の説明がないと
金融検査マニュアルのように、
形式主義になってしまうのです。

 

つまり、

マニュアルそのものをつくることも大切ですが、
その意味、”なぜ”を伝えることの方が、
もっと重要なんですよね。

 

もし、

あなたの会社のマニュアルが機能していないとしたら…、

”仏つくって魂入れず”

 

肝心の”なぜ”が抜けているからかもしれません。

いま一度見直してみましょう。

 

 

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